不二家の桜井康文社長と、製パン最大手の山崎製パンの飯島延浩社長は26日、東京都内で記者会見し、山崎パンが不二家に35・06%を出資して傘下に収めることを正式に発表した。
両社の連結売上高を単純合計すると8300億円に上り、巨大な菓子・製パングループが誕生する。
不二家は消費期限切れの原料を使った洋菓子を出荷していたことが発覚して以来、消費者離れで業績が低迷しており、山崎パン傘下で再建を図る。
不二家が4月11日付で実施する第三者割当増資を、山崎パンが約159億円で引き受ける。
不二家は、創業一族の藤井家出身の取締役2人が「一身上の都合」として26日付で退任した。6月の株主総会の取締役選任では、現在の4人から定款の上限にあたる12人に増やす。これに伴い、山崎パンは代表取締役1人を含む6人の取締役(うち1人は社外取締役)を派遣して経営を主導する。
山崎パンの飯島延浩社長は「(将来の子会社化を)考えないわけではない」と述べ、不二家の再建の状況を見極めたうえで、出資比率を50%超に高める可能性を示唆した。ただ、当面は出資比率の引き上げに否定的な見解を示した。
不二家の桜井康文社長は、山崎パンの資本参加について「今後の事業の再構築の原資は、増資で十分確保される見通しだ。(不祥事で傷ついた)信用の補完効果も期待している」と述べた。
業務面の提携では、原料調達や商品配送などの共同化や、製品の相互生産・販売などに取り組む。