山の斜面が崩壊、海岸線の道路が寸断された=25日午後2時58分、石川県輪島市の袖ケ浜海岸で、本社ヘリから
能登半島付近の海底活断層
太平洋側から沈みこむ海のプレートに押されている日本列島では、絶えず東西から圧縮される力が働いており、ひずみに耐え切れなくなると地殻の弱い部分が壊れてずれる。約170万年前から現在まで繰り返しずれているところが活断層で、こうした場所は陸地にも海底にもある。
陸の活断層は空中写真などで見つけやすいが、海の場合は調査が難しく解明は遅れている。阪神大震災以降、海上保安庁が調査を進めているが、動けば大被害が予測される大都市沿岸の調査が優先され、今回の震源付近は調査されていない。
産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は今回の震源付近の海底で以前に実施した調査で、活断層とみられる地形を多数確認していた。「詳しい解析が必要だが、このうちのいずれかが動いた可能性がある」と同研究所活断層研究センターの岡村行信チームリーダーは話している。
産総研の調査は、活断層の長さや活動の度合いなど防災に必要な情報を得るためではなく、海底地質図を作るために実施された。地質図は近く出版する予定だが、こうした海底の活断層は一般にはあまり知られていない。2年前の福岡沖地震も、それまで存在が知られていなかった海底活断層が引き起こした。
「沿岸域の海底活断層は大きな被害を及ぼす恐れがあり、調査を進める必要がある」と島崎邦彦・東京大学地震研究所教授は指摘する。
http://www.asahi.com/national/update/0325/TKY200703250257.html