地震によって海底が隆起または陥没し、上にある海水が持ち上げられたり、引き下げられたりすると津波が起きる。気象庁は、今回の地震が海溝型の巨大地震ではなかったことに加え、海底下の断層が横方向にずれる動きが大きかったことが、津波による大きな被害がなかった要因とみている。
断層が縦方向にずれれば、海底も縦にせり上がるので津波は高くなる。しかし、今回は、相対する断層面が右方向にずれながら片方が少しせり上がる動きだったという。
今村文彦・東北大教授(津波工学)は、震源域の海底が浅かったことも、小さな津波となった一因と分析している。水深が浅ければ移動する海水の量自体が少ない。海上保安庁によれば、震源の位置は岸から1キロ以内で、深さは数十メートル以浅の沿岸とみられる。
今村教授は「岸に近い場所で起きた地震なので、津波の到達時間について言えば非常に早いタイプ。海水の移動量が少なくて済んだのは不幸中の幸いだった」と話している。
http://www.asahi.com/national/update/0326/OSK200703260002.html