キヤノンは26日までに、国内のグループ19社の製造部門に勤務する派遣社員と請負労働者の計3500人を、2007年度から2年間で正社員などの直接雇用に切り替える方針を明らかにした。請負労働者を実際には発注主企業の指揮下で派遣社員のように働かせる「偽装請負」が過去に指摘された反省を踏まえ、間接雇用の労働者の正社員化などを進める。
同社グループの製造部門の間接雇用は約2万1400人で、従業員の75%を占める。内訳は派遣社員約1万3000人、請負労働者約8400人。今回、このうち中途採用の正社員として1000人、契約期間3年未満の期間社員として2500人を2年間に採用する考えだ。
同社は偽装請負について、03−05年に労働局から計7件の指導を受けた。国会でもこの問題が取り上げられ、民主など野党3党が御手洗冨士夫会長(日本経団連会長)の参考人招致を要求し、追及する姿勢。同社では昨年8月に「外部要員管理適正化委員会」をつくり、雇用形態の見直しを進めていた。
ZAKZAK 2007/03/26