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2007年03月26日(月) 23時51分

関連死防げ、高齢者ケア本格化 余震なお200回以上朝日新聞

 能登半島地震の被災地では26日、震度5弱の余震を観測、地震発生後から体に感じる余震は200回を超えた。安倍首相は同日、激甚災害法の適用について「地元の方々が指定を強く希望されている」と述べ、前向きな考えを示した。地元自治体では被災地で暮らす高齢者の心身の「ケア」のため、独自に医師らを避難所に派遣するなど支援に乗り出した。

ビニールハウスにベッドを入れて避難生活を送る西村浩和さん(左上)、美千枝さん(右下)夫妻ら=26日夜、石川県輪島市門前町道下で

 気象庁によると、この日午後2時46分に石川県志賀町で震度5弱を観測。本震発生地周辺の狭い範囲内で続いている。同庁は「今後数日間は、震度5強〜6弱の余震が発生する恐れがある」と警戒を呼びかけている。

 余震は、被災地のお年寄りにとって精神的に大きな負担となる。04年10月の新潟中越地震では、死者67人のうち、倒壊家屋の下敷きなど地震が直接の死因となったのは16人。残りは避難生活の疲れや地震のショック、復旧作業による過労死などの「関連死」だった。

 狭い車中や自宅、避難所で活動が制約され、血栓や出血を起こし心筋梗塞(こうそく)などの循環器の病気を発病して急死する例も相次いだ。

 このため、厚生労働省は26日、災害の影響で歩行不能になるなどの症状がでないよう、石川、富山両県と金沢、富山両市に指示。生活不活発病かどうかのチェック表も参考に送った。

 生活不活発病は、避難所などで動かなくなることが原因。予防には、日中ずっと横にならない▽歩く機会を増やす▽ボランティアに必要以上に手伝ってもらわない、などが大切という。

 同省は「対策は動ける人は動くこと。病気の存在を本人や援助者が知って気をつけて」と話す。

 高齢者を中心に125人が避難所にいる志賀町は地震発生当日から、保健師を各避難所に派遣し、26日には延べ10人が2班に分かれ、7カ所の避難所を巡回した。住民からは「余震が怖くて眠れない」など不安を訴える声が相次いでいるという。

 今回の地震で大きな被害を出した能登半島の被災2市2町の高齢化率は41.4%で、中越地震で被災した市町村の高齢化率23.4%を大きく上回る。

 輪島市は26日、東京都の「国立病院機構災害医療センター」に医師の派遣を要請したほか、県立中央病院(金沢市)の医師・看護師を避難所に常駐させた。

http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY200703260321.html