今年の新戦力は日本ハムから移籍した小笠原(右手前)。視聴率に影響するか=東京・神宮球場で
各局とも開幕戦の視聴率に注目する。その年の浮沈が占えるからだ。昨年の巨人—横浜(日本テレビ系)は15.9%。93年は2倍の31.1%もあった。この数字、79年にデーゲームの巨人—中日で8.2%を記録して以降、ひとケタまで落ちたことはない。
今年も巨人は横浜戦で、TBSが中継する。セレモニーはみのもんたが司会。始球式は投手・星野仙一、捕手・田淵幸一、打者・山本浩二、審判・大野豊と、北京五輪を目指す「星野ジャパン」首脳が務める。
TBSの清水等プロデューサーは「プロ野球を盛り上げたいという星野監督の思いもあって実現した」と話す。「開幕が重要だという認識は各局同じ。関係者には、今までなら考えられない協力もしてもらえた」
大野はNHK、山本は日テレで解説者。その2人も参加するのを指す言葉だ。
今年は日テレが巨人戦中継を昨年の69試合から42試合まで減らす。昨年の中継の平均視聴率は9.6%で初のふたケタ割れをした。ゴールデンタイムなどの視聴率で首位を狙う日テレにとって、巨人戦中継が今や「お荷物」に近い。
「4月3〜8日の東京ドーム開幕6連戦(1試合はNHKが中継)で、数字がどうなるか。悪くてもオールスターゲームまでは我慢するが……」と同局幹部。
今年の中継は原点回帰と位置づける。松本達夫チーフプロデューサーは「余分な演出を排し、プレーの一球一打を丁寧に見せる、シンプルな中継にこだわりたい」。今年から月1回、プロ野球支援を目的に、約60分のダイジェスト番組「ベースボールTV」を新設する。
日テレ以外の民放も、テレビ朝日(6減で12試合)を筆頭に現時点では減らす計画で、NHKは前年並み(6試合)。だが例外がテレビ東京で、中継は昨年より1試合多い7試合を予定し、そのすべてが巨人戦だ。「ふたケタの数字が期待できる巨人戦は、まだまだ魅力のあるソフト」と同局は考えている。
(視聴率はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区)