入門30年を迎えた桂都丸
都丸は77年、米朝門下のざこばに入門。8歳しか違わない筆頭弟子だけに、入門当初は「師匠」と呼ぶことを禁じられた。兄弟のような師弟関係で、15年目からは「もう弟子やない」と認められた。
25周年では、25日間連続で計50席を高座にかけた。今回は上方屈指の大ネタを軸に、勝負をかける。選んだ演目はまず、「らくだ」。酒の噺(はなし)を極めようと10年目から手がけており、押し出しよい都丸のキャラクターにも合った落語だ。
「百年目」はやり手の番頭と、一回り器量の大きい旦那(だんな)との人情味あふれる噺。米朝の語り口にあこがれていたが、番頭はともかく、品が良く懐深い旦那は演じられないと敬遠していた。3年前に米朝に稽古(けいこ)をつけてもらい、番頭=ざこば、旦那=米朝に重ね合わせて取り組んでいる。「培ってきた人間性そのものが出てしまう噺」と話す。
30公演の大半は、これまで各地を回って広げたファンに請われる形で実現。ざこばに報告すると「ほーん」とだけ。都丸は「師匠はそういいながら、ゲストで高座に出ると泣いてしまうんやないかな」。
記念公演のスタートは4月14日午後6時半、京都府立文化芸術会館。「百年目」「首提灯(ぢょうちん)」「桂三枝作・宿題」。2800円。11月29〜12月1日は大阪・天満天神繁昌亭で開き、来年2月の京都・南座で締めくくる。問い合わせは米朝事務所(06・6365・8281)へ。
http://www.asahi.com/culture/stage/rakugo/OSK200703260095.html