白石は「NHKのドラマ自体が初めてなのですが、特に朝ドラは思い入れがあるんです」と話す。出演依頼を聞き、3年前に死去した祖母いのさん(享年86)のことを思い出したという。デビュー直後「美帆の番組(スーパーサッカー)は夜遅すぎて見られないわ」と言われ、なかなか晴れ姿を堪能してもらえなかったからだ。その一方で祖母が朝ドラを楽しんでいた記憶があり、5歳のときには一緒に「おしん」も見ていた。天国からしか見てもらえないが、白石は「ようやく孝行できるんですかね」とほほ笑んだ。
演じるのはヒロインからおかみの座を横取りしようとする役。祖母には苦笑いされそうだが、今の白石には大歓迎だ。以前は見た目そのままの優等生、お嬢さま役ばかりだったからだ。05年のドラマ「電車男」で凶暴なOLを演じ、悪役のやりがいに開眼。テレビ雑誌の最優秀助演女優賞を受賞するなど評価も高く、その後は癖のある役の依頼も殺到している。「いろんな可能性を期待されているなら、その気持ちに応えたい。わたしは基本が体育会系ですから」。
昨年限りで、デビュー時から司会を務めてきたTBS系「スーパーサッカーPLUS」を卒業した。「8年2カ月もやらせていただき、いつでも私の帰る場所だった。でも、そこから巣立ち、より大きく成長して皆さんに還元したいです」。今年は本格的に女優業にのめり込むつもり。フジテレビ系連ドラ「花嫁とパパ」、同局系のスペシャル「介助犬ムサシ〜学校へ行こう〜」など、ドラマ出演がめじろ押しだ。