飛鳥資料館は昨秋、72年に出土した鏡のX線分析を実施。その結果、銅71%、スズ22〜24%、鉛3〜4%であることがわかり、成分比は、唐からの輸入品とみられる奈良・正倉院の鏡や中国出土とされる他の鏡と、ほぼ合致した。
高松塚古墳の海獣葡萄鏡は、697年に没して翌年埋葬された唐の高級官僚、独孤思貞(どっこしてい)の墓(中国・西安市)の鏡と同じ鋳型で作られたことが、すでにわかっている。このため、直後の702年に派遣された遣唐使が704年の帰国時に持ち帰ったとする説が有力だ。
今回の結果はこれを裏付け、高松塚の被葬者が、遣唐使のもたらした文物に触れられる高位の人物である可能性が強くなった。
http://www.asahi.com/culture/news_culture/OSK200703260154.html