志賀原発1号機の中性子量計測の記録紙。計測器が振り切れたことを示す直線の上下に、二つの「点検」の文字が書き込まれている
同社などによると、臨界状態となった99年6月18日午前2時18分から15分間、原子炉内の中性子の状態が、測定の位置や感度が異なる少なくとも5種類の記録紙に打ち出されていた。これらの記録紙には、計測器が振り切れたことを示す直線の上下に、手書きで「点検」の文字が計6カ所書き込まれていた。文字の特徴から同一人物が書いたとみられるという。記録紙は、いずれも巻き取り式で保存期間は10年とされる。
記録紙の数値は、半月に1度、原子炉主任技術者の資格を持ち、原発の保安監督を担当する次長がチェックする決まりになっていた。だが、次長は事故後、所長や所長代理(現常務)らとともに緊急招集され、事故の隠蔽を申し合わせたとされる。
同社は02〜03年にかけて実施した社内調査で保存されていた過去の原発の記録類なども調べたが、隠蔽を見抜けず、「不正なし」と結論づけていた。「点検」と書き込まれた時期と、書き込んだ人物についてははっきりしておらず、同社が当時の関係者から事情を聴いている。
http://www.asahi.com/national/update/0324/OSK200703240107.html