病気腎は、摘出が10病院38件、移植が3病院42件で実施された。この問題についての調査委員会は、五つある。これまでに宇和島徳洲会病院、市立宇和島病院の二つの調査委が調査結果を公表。厚労省調査班の検証を受け、病気腎移植について、外部の専門医は、摘出38件のうち22件、移植42件のうち25件について「医学的に不適切」と判断した。移植11件についてはカルテなどがなく、判断が困難としている。摘出、移植ともに容認できるとした例はない。
一方、宇和島徳洲会病院の調査委は、摘出についての外部専門医の見解を覆し「患者の個人的事情などを考慮すると、容認できる」などとする見解をまとめている。
厚労省調査班は岡山協立、川崎医大川崎、備前市立吉永、北川、三原赤十字の5病院で実施された6件の摘出手術について、「摘出は不必要か、(患者にとって)不利益、または不必要かつ不利益、の三つのうちのいずれかだった」と断定した。
そのうえで病気腎移植が認められる条件として、(1)摘出が患者にとって最良の治療法(2)摘出した腎臓を修復して戻す「自家腎移植」が、患者にとってリスクとなりかえって不利益となる(3)患者が自らすすんで腎提供したいと考え、移植を受ける患者にも不利益にならない——の三つを必要とし、「このような例は極めてまれで、一般的に実施されるとは考えられない」と結論づけた。
6件の摘出で取り出された腎臓は、三つが宇和島徳洲会病院、二つが市立宇和島病院、一つが呉共済病院に搬送され移植されている。
廉介医師は「厚労省が結論を出した以上、我々はそれに従うしかなく、病気腎移植はできない。だが、困っている患者さんがいることも事実で、その人たちが納得のいく代案を出して欲しい」と話している。
http://www.asahi.com/national/update/0324/OSK200703240106.html