25日、再選が決まり記者会見する香港の曽蔭権行政長官
選挙は、親中派が多数を占める選挙委員(800人)による間接選挙。過去2回は無投票だった。中国政府の信任を受ける曽氏は、批判票が白票に流れることを懸念した。「600票を割ったら北京の信頼を失う」(曽氏陣営)ためだが、終盤の説得工作が奏功。棄権や白票を20票以下に抑え込んだ。
一方、梁氏は「競争のある選挙を実現する」という訴えが一部の親中派委員にも浸透した。民主派主要各派は「香港の政治文化が変わった」と今回選挙の意義を強調。民主派選挙委員が次回12年選挙での直接選挙実現を目指す新しい組織の設立を宣言するなど、民主化運動に一定の弾みをつけた。