今回の首脳会議は、EUの前身の欧州経済共同体(EEC)設立を決めたローマ条約調印を祝い、半世紀に及ぶ欧州統合の価値を強調することがねらい。憲法問題は今後のEU像を左右するため、「ベルリン宣言」にどう盛り込むかが焦点だった。
「宣言」では「09年の欧州議会選までに、EUとして新たな共通の基礎を定める目標を共有する」との表現で、問題解決への意思を打ち出した。だがチェコなどはEU憲法そのものに消極的で、「宣言」で憲法に言及することに反対する姿勢を崩さなかった。このため「憲法」に代えて「新たな共通の基礎」という言葉を用いるなど、表現を大幅にやわらげた。
27カ国に拡大したEUの基本法になるEU憲法条約は、フランスとオランダが05年に国民投票で批准を否決して以来、制定に向けた作業が暗礁に乗り上げている。
このほか「宣言」は、欧州統合の成果として平和や自由に加え、単一通貨ユーロの導入を挙げた。「我々、欧州市民はより良いものをめざして結びついた」として、欧州統合の意義を強調した。