パリのオペラ座(オペラ・ガルニエ)で24日会見する(左から)市川亀治郎、海老蔵、団十郎、段四郎の各氏
会見したのは団十郎、海老蔵、段四郎、亀治郎の4氏。
団十郎さんは今回、白血病を克服しての舞台。「病気の前より開き直りが強くなった」と新境地を語る一方で「今回の舞台の壁は想像以上に厚かった」と話した。オペラ座に立つことの緊張感について、勧進帳の場面を引き合いに出して「歴史の重みが私に詰め寄ってくる。弁慶と関守の富樫とが詰め寄るように、私も(歴史と)詰め寄っていかないと」と話した。
一方、海老蔵さんは「客と舞台の距離が意外と遠いと感じた。雰囲気にのまれると終わってしまいそう」。亀治郎さんは、舞台からシャガールの天井画を見上げて「ガルニエに来たな」と実感したという。
今回の5回の公演で、勧進帳では団十郎さんと海老蔵さん親子が日替わりで弁慶と富樫を演じる。息子の海老蔵さんからの提案という。「親孝行なことだ。5回全部弁慶を演じるのは(体力的に)大変だから」と団十郎さん。海老蔵さんは「父の優美さが僕に欠けているのがよくわかった」。
会見に先立つ23日、団十郎さん、海老蔵さんに仏政府から芸術文化勲章が授与された。
段四郎さんは「文化交流は一度で終わるのでなく、今後も続けたい」と述べ、パリ・オペラ座公演の定期化への意欲を語った。
http://www.asahi.com/culture/stage/kabuki/TKY200703250218.html