石川県輪島市教委などによると、重蔵(じゅうぞう)神社(輪島市)では、現存する輪島塗として最古という本殿朱塗り扉(室町時代)にひびが入った。石製の大鳥居(高さ12メートル)が倒壊し、境内を囲む石垣も約100メートルにわたって倒れた。県指定有形文化財の角海家(かどみけ)住宅(同市)の母屋と土蔵も半壊した。
石川県教委によると、輪島市では国の重要文化財の時国家(ときくにけ)住宅の外壁に約1メートルのひびを確認。同市では国登録有形文化財の大規模民家・南惣家(なんそうけ)住宅の前蔵の壁も落下した。中能登町では国史跡・石動(せきどう)山にある大宮坊の石垣も崩れた。
県指定有形文化財では、室町時代末期に建てられたという松尾神社(志賀町)の拝殿がゆがんだ。このため扉が開かず、奥に続く国重文の本殿の被害状況が確認できないという。雄谷(おおや)家(け)住宅(同町)では、前蔵の壁に4、5カ所、亀裂が見つかり、離れの1階天井の一部も落ちた。中谷家住宅(能登町)の壁の一部もはがれた。県史跡の地頭町中世墳墓窟(くつ)群(志賀町)では、高さ1メートル程度の五輪塔3基が倒れた。
輪島塗など漆芸作品約900点を収蔵する石川県輪島漆芸美術館(輪島市)では、屏風(びょうぶ)などの展示品が倒れ、中国やミャンマーなど海外の作品10点ほどが収蔵庫の棚から落ちた。
ガラス工芸品約300点を収蔵する石川県能登島ガラス美術館(七尾市)では現代作家の作品2点が全損。石川県七尾美術館(同市)では収蔵庫にあった現代彫刻作品の一部に被害が出た。
富山県教委によると、国の重要文化財の瑞龍寺大茶堂(高岡市)で土間の壁の一部がはがれた。
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