本来のフライ級に上げた亀田は久々に「3回で倒す」と予告。豪快さをイメージしたか、昨年12月の初防衛戦で有効だったジャブ、フットワークは見られず、高いガードを保ったまま、一直線に距離を詰めた。スピードに乏しく、以前までの単調な「亀田スタイル」に戻ってしまった。
それでも前半は優位に展開し、5回には左フックでダウンを奪う。だが、細かいパンチも受け続けて、6回には右カウンターでバランスを崩した。「効いたパンチは無い」と言ったが、明らかにペースダウン。相手のアッパーに苦しみ、試合終了のゴングを聞いた。
クリーンヒットでは勝ったが、笑顔は少ない。「前半のKOは見栄えがいいけど、この方が経験になる」と強がった。
フライ級での照準は、16度防衛のWBC王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)。だが、KOを意識しすぎたスタイルに固執すれば「大横綱」からの金星は遠い。