米軍のイラク撤退を求める法案を野党・民主党の賛成多数で可決したと表明する米下院議長(左)=AP
今回の法案は、イラクなどでの戦費約960億ドル(約11兆3000億円)を盛り込んだ補正予算案に、遅くとも来年8月末を撤退完了期限とする付帯事項をつけた。今年7月1日までにイラクの情勢報告をするよう大統領に求めており、情勢が改善していない場合は撤退の即時開始と年内完了を求める。改善していれば08年3月1日までに撤退を開始し、同年8月末までの完了を求める内容となっている。
民主党のペロシ下院議長は「イラクからの撤退に向けた大きな一歩だ」とアピール。政権に方針転換を求めた。これに対し、ブッシュ大統領は「下院は責任を放棄した。民主党の政治ショーだ」と批判。仮に議会を通過しても拒否権を行使する方針を改めて明言した。
投票結果は賛成218、反対212。民主党の多数が賛成し、共和党から2人が賛成にまわった。ただ、即時撤退を求める民主党左派の議員ら14人が反対にまわり、6票差の結果になった。