40歳代独身女性。3年前に知り合った男性と、結婚を前提に交際しています。
その男性は私より10歳以上年上、奥様は闘病中です。「女房のことが終わったら、必ず一緒になるから待っていてくれ」という言葉を信じ、奥様を支えている彼を待ち続けています。
このごろとても疲れてきました。彼は「もう時間の問題だから」と私をなだめます。それは、わかっています。でも最近の私は、少しでも思い通りに行かないと、彼を非難してしまいます。彼と奥様の生活をあれこれせんさくして、ヒステリーを起こしてしまいます。
会わずにいると不安、でも顔を合わすと文句ばかりです。私は彼と一緒になりたいのに、どうして彼をなじってしまうのでしょう。ゴールは見えているので、なんとかゴールインしたいのです。
私の気持ちを朗らかにするにはどうすればいいのでしょう。(東京・J子)
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あなたは、自分のことだけで気持ちがいっぱい。彼は彼で、妻の介護のつらさを若いあなたの存在でまぎらわせているのでしょう。
たとえ、そうだとしてもです。彼の妻が病に苦しんでいるのを知っていて、その妻の存在にいらだつあなたは美しくありません。そのあなたを「もう時間の問題だから」と言ってなだめる彼は尋常ではありません。
冷静に考えてみてください。死を前にした妻の闘病の苦しさを。夫とその愛人に死を待たれていることの悲しい不条理を。
それに比べたら、あなたのつらさなどなんぼのものでしょう。
あなたの望みはなんですか? 結婚ですか? そこに行き着かなければ、相手の愛を確信できないのですね。恋愛は排他的で、とても利己的なものですから、是も非もありませんが、この状況で気持ちを朗らかにするのは無理でしょう。
でも、朗らかでいられない関係をあえて選択したのは、あなた自身だということは自覚すべきです。こういう関係は、苦しくて当たり前なのだと私は思います。
(久田 恵・作 家)