公職選挙法の改正で、地方選の首長選でもビラ配布が可能になった=キーワード参照。選挙戦が始まった知事選でも、各候補者が、それぞれのマニフェスト(政権公約)の概要を記した様々なビラを製作し、有権者に政策を訴えている。
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達増拓也氏(42)=民主推薦=は、2種類のビラを作った。
一つはA4判で、表に二大戦略の「新地域主義戦略」と「岩手ソフトパワー戦略」を掲げた。
裏には、教育や医療、農林水産業など6分野の政策を細かに記した。陣営関係者は「岩手の危機から、『希望王国』を実現する道筋がわかるようにした」。
もう一つは内容はほぼ同じで、手帳大に折りたためる。「ポケットなどにもしまえて、電車やバスの中で広げやすい」(関係者)という。
菅野恒信氏(61)=共産推薦=は、A4判のビラを作った。大部分は新聞の折り込み広告に入れ、残りは演説会で配布する予定だ。
表面には「ムダづかいをやめる」「くらし福祉を守る」の2本柱を大きく掲げた。
裏面には「教育」「医療」「雇用」など6分野の政策が具体的に記されている。
記されているのは、告示前に発表したマニフェストの4割程度だが「限られたスペースでの読みやすさを重視した」(関係者)。
柳村純一氏(56)=自民推薦=は、A4判のビラを作成した。
表に「岩手再建」のキャッチフレーズとともに、「失ったものを取り戻す12の約束」を個条書きで掲げ、裏に「五つの基本姿勢」を記した。
「12の約束」は、競馬組合の廃止、医師確保予算の大幅増など。
告示前に発表したマニフェストでは数値目標を多く掲げたが、ビラでは知事報酬の50%削減や県庁職員の削減などにとどめた。陣営関係者は「上限の枚数を作る予定」という。
ザ・グレート・サスケ氏(37)は、現在ビラを作成中。A4判で、表にサスケ氏の顔、裏に公約を記す予定だ。
29日以降、サスケ氏の遊説先で配布する。陣営関係者は「手渡しの方が効果がある」という。
達増、菅野、柳村の3氏は、確認団体の政党などが別にビラを作成。確認団体のビラには候補者名は記載できないが、細かな政策を記している。
候補者がビラを配布できるようになったことについて、ある陣営の担当者は、「候補者の名前、顔と合わせて政策を訴えられるようになったのは大きなメリットだ」と話している。
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《キーワード》
公職選挙法の改正 選挙運動で配布できる文書は、はがきやビラ、パンフレット(政党のみ)、選挙公報などだが、ビラやパンフは国政選挙だけに認められてきた。今年2月の法改正で、地方選のうち首長選では、A4判程度のビラ2種類の配布が認められるようになった。候補者のマニフェスト(政権公約)の概要を記載し、有権者にPRできる。上限枚数は、岩手県知事選では1候補当たり14万5千枚。
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