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2007年03月24日(土) 00時00分

山大付属病院 医療ミスと断定朝日新聞

 ∞術後後遺症患者訴え 隠蔽あったと報告

 山形大医学部付属病院(山下英俊院長)で05年に手術を受けた患者が後遺症を訴えている問題で、同病院が設置した内部の調査専門委員会は過失による医療事故と断定、隠蔽(いん・ぺい)行為があったとする調査報告書を嘉山孝正医学部長に23日、提出した。

 患者は当時、県内に住んでいた20代の女性。05年5月下旬に付属病院で左足の腫瘍(しゅ・よう)を摘出する手術を受けた。皮膚や皮下組織を広範囲に切除、縫合したが、血液が巡らなくなる循環障害になり、筋肉が壊死(え・し)する「コンパートメント症候群」を引き起こした。治療を繰り返したものの経過が思わしくなく、女性は05年8月に県外の大学病院へ転院した。女性は左足首の関節が動かないなどの後遺症で、現在も治療を続けている。

 報告書などによると、通常、手術方法は合議で決めるが、この件に関しては執刀医である整形外科医が1人で決めていた。整形外科と皮膚科の教授らは事実を把握していたが、昨年末に女性側の求めで山形地裁が付属病院に対して証拠保全命令を出すまで病院長らに報告しなかった。

 調査専門委は、手術後の合併症として当然予測すべきコンパートメント症候群を予測していなかったことが最大の要因と分析。手術自体も医学的見地から見て、不適切だったとした。また、1年以上にわたり病院へ報告しなかったことは隠蔽(いん・ぺい)と断定した。

 今後、学則にのっとり医学部教授会で、執刀医や主治医ら手術に関与した医師らの処分を検討する。女性へは、金銭的な賠償を含め、誠意をもって対応したいとしている。

http://mytown.asahi.com/yamagata/news.php?k_id=06000000703240004