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2007年03月24日(土) 00時00分

07統一選選択 政調費朝日新聞

政調費の見直し道半ばで県議選

 地方議会議員の調査研究の経費として交付される「政務調査費」が、東京都の区議会で官能小説やカーナビの購入に流用されるなど使い道が問題になり、統一地方選を前に各議会で見直しが相次いだ。富山県議会では2月下旬、会派代表者会議で議題となったが、「会派で検討」となったまま2月定例会は閉会。政調費を巡る議論は中途半端のまま、県議選を迎える。

 「調査研究費 6805万1590円」「研修費 1236万3213円」……。県議会のある会派の05年度の政調費の収支報告書には、8項目の支出内訳ごとに年間まとめた金額が並ぶ。いつ、どこで、何に、幾ら使ったか、全く分からない。

 県議会の政調費は、議員1人あたり月30万円で会派に対して支給される。年間総額は1億6200万円。余れば年度末に返すことになっているが、03年度から3年間で返したのは、共産が2回だけで計約50万円だった。

 各会派から議長に提出が求められるのは年度ごとの収支報告書1枚だけ。帳簿や領収書は5年間の保存が義務づけられているが、情報公開の対象外で、使途をチェックするのは事実上不可能だ。

 朝日新聞が立候補を予定する現職県議39人に行ったアンケートでは、収支報告書に領収書添付を義務づけるべきかの質問に、21人が「はい」を選んだ。

 一方、回答を保留した議員の中には「事務が繁雑になる」「自家用車の交通費には領収書がない」といった意見があった。

 朝日新聞社の全国調査では、全支出に領収書などを添付・公開している都道府県議会は長野など4県。条件付き公開は北海道など6道府県。また、三重、新潟など4県が公開を決めている。

 長野県議会では03年度から、政調費の使途について領収書など証拠書類の添付を義務づけ、原則公開している。特徴は、使い方の基準を具体的に定めたマニュアルだ。

 支出が不適当な例として、後援会広報の印刷やあいさつだけの会合への出席経費などを記載。自家用車での移動は、1キロあたり30円で計算するように統一している。

 また、領収書をもらいにくい会合や視察については、その目的や相手などを書き込む「活動記録」の様式を作った。長野県議会事務局によると、証拠書類の約4分の3が領収書ではなく活動記録などだという。

 証拠書類は公開されており、05年度は48件の政調費の閲覧の申し出があった。
 こうした動きについて、県議会の米原蕃議長は、報告書に領収書は添付すべきだとした上で、「会派共通のルールを出す方がいいのかなど、(選挙後の)検討課題だ」と話している。

http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000703240003