白書はその年度の教育や科学、文化にまつわる事象をまとめている。今年度は改正教育基本法の成立や政府の教育再生会議の動向について取りあげた「教育再生への取組」と、「文化芸術立国の実現」が特集として掲載された。文科省は19日、担当記者が所属する文部科学記者会に、内容を事前に説明した。
その際、履修漏れ問題の記載がない点に記者側から質問が相次いだ。文科省は「原則として前年の11月までに起きたことを取りあげている。履修漏れはその時点では全容が分かっていなかった」と説明。改正教育基本法成立や教育再生会議の第1次報告など、12月以降のできごとが載っている点については「何を掲載するかは省内の議論を踏まえている」とした。
ところが、同省は20日午後、履修漏れ問題についても触れる方針に転換。印刷が間に合わないため、A4サイズ2枚の「正誤表」として挿入することにしたと説明した。
文科省は「社会的関心が高い問題と判断した。お粗末と言われればお粗末」としている。伊吹文科相は23日の会見で、追加は自分が指示したと認め、「お役人の仕事は常にこういうことが起こるんだね」と述べた。