店頭にペコちゃん人形を運び出す店員と桜井康文社長(右)=23日、東京・銀座の不二家数寄屋橋店で
営業再開した不二家=23日、JR博多駅ビルで
洋生菓子販売を再開した不二家の店にはケーキなどがずらりと並んだ=23日午前、東京・銀座の不二家数寄屋橋店で
東京・銀座にある不二家・数寄屋橋店では、午前10時の開店と同時に、桜井康文社長が「お待たせ致しました。ただいまより不二家洋菓子の販売を再開します」とあいさつした。
この日販売を再開したのは、直営店約100のうち74、フランチャイズ店約700のうち147。61店はイメージダウンなどを理由に閉店し、残りの500を超える店舗は、24日から4月上旬にかけ、順次開店する見込みだ。
扱う商品数も、工場が本格稼働していないことから、当面は販売中止前の約半分にあたる64種類に減らしたが、山崎製パンに製造を委託して、新たに「ペコちゃんのメロンパン」など7種類の菓子パンを売り出した。
今後、不二家再生のカギを握るのは、品質管理面で不二家を支援する山崎製パンだ。すでに、業務面での提携内容を詰めており、来週初めにも発表する予定だ。不二家は複数の取締役も受け入れ、山崎製パンのグループ会社となる。
資本提携の実現と、本社ビルなどの売却益によって、不二家は財務面では安定感を増すが、課題は営業だ。特に洋菓子店の立て直しは急務。もともと業績が低迷していたところに、不祥事発覚による長期営業停止で不二家の販売網はがたがただ。不二家関係者も「洋菓子店に強みはない」と深刻に受け止める。
「ミルキー」などの卸売り菓子はすでに製造を再開しているが、スーパーなどでの販売の見通しははっきりしない。商品の安定供給に時間がかかるため、4月上旬以降にずれこみそうだ。
山崎製パンの商品やコンビニエンスストア「デイリーヤマザキ」の運営ノウハウを導入し、洋菓子店をどう生まれ変わらせるのか——。手腕が問われるのはこれからだ。