シャトルアラブ川
英BBC放送によると、拘束された英海軍の兵員らは、バスラ沖のペルシャ湾を巡回中の英駆逐艦から二つのボートに分乗。イラン・イラク国境を流れるシャトルアラブ川のイラク側の河口付近で商船の積み荷の検査にあたっていたところ、イラン軍の船に囲まれた。全員が身柄を拘束され、イラン領へ連行されたという。現場近くでは04年7月、同様の拘束事件が起きている。
イラン政府は23日午後7時(日本時間24日午前0時半)現在、拘束を確認していない。国営放送は22日、軍の別組織、革命防衛隊がここ2カ月間で4度目となる演習をペルシャ湾の領海内で開始したと報じた。新型潜水艦やミサイル発射能力などを試すとしている。防衛隊の海軍司令官は「米兵は一兵たりともイラン領内には入れさせない」と述べている。
米メディアは、米軍のイラン核施設に向けた軍事攻撃の可能性を報じることが増えており、イラン側の軍事演習は米軍を牽制(けんせい)するとともに、国内の士気を鼓舞する目的がある。米軍は今年1月、イラク北部のアルビルでイランの外交施設を捜索し、イラン人5人を拘束。イラン側は5人の釈放を求めている。