JR北海道が開発した線路と道路の両方を走行できるデュアル・モード・ビークル(DMV)の営業運行が4月から始まるのを前に22日、報道関係者向け試乗会がオホーツク海沿岸の釧網線浜小清水(小清水町)—藻琴(網走市)間で行われた。線路上ではガタンゴトンという音と振動が大きめだが、道路では普通のバスと変わらず滑らかで快適だった。
DMVはマイクロバスがベースの1両編成。浜小清水駅の駐車場で線路まで数メートルゴムタイヤで走ると、それぞれ違う制服を着たバスの運転手から鉄道の運転士に交代。ウィーンという音と同時に車体前部が持ち上がり、約15秒で鉄車輪にモードチェンジした。
定員12人乗りの車内は席と席の間がやや狭い。線路上を時速約40キロとゆったりした速度で進み、前方の大きな窓から原生花園や流氷が浮かぶオホーツク海の雄大な景色が飛び込んできた。藻琴駅で再度モードチェンジすると車体が1段低くなり復路は道路を利用、約1時間で往復した。
試験的営業は4月14日から、6月末までの延べ28日間、計84回を予定。当面は観光利用だが、駅から病院や公共施設を直接結べる上に低コストで「ローカル線活性化の切り札」として道内外から注目されている。JR北海道は財政破たんした夕張市での導入を検討しており、静岡県富士市も関心を示し1月に現地でデモ走行を実施した。
ZAKZAK 2007/03/23