「4年前の知事選同様、石原氏が街宣車の上で演説しているとき、自民党議員は一緒に立ってはいけないことになった」
こう嘆くのは東京都選出の自民党衆院議員。都連事務局は「石原氏が演説しているときは、離れたところにいましょうということを自主的に決めた」と円満ぶりを強調するが、先の議員は「街頭演説は1日2、3回しかしないようだ。4年前なら相手が評論家の樋口恵子氏で余裕だったが、今回はそんな悠長に構えている場合ではない。勝手にやってくださいと言いたくなる」とも。
やはり石原サイドとの関係は、しっくりいっていないのが実態のようだ。自民党内にくすぶる不満の底流にあるのは、石原氏の自民党推薦拒否。党幹部はこう指摘する。
「長男の伸晃・選対小委員長が『推薦を党で決めて大丈夫だ』というから決めたのに、拒否でしょ。これじゃあ、党の面目は丸つぶれだ」
結局、自民党の要望が受け入れられたのは第一声の場所ぐらい。「都議会自民党の幹事長が立川選出のため、立川からスタートするように自民党が言い聞かせた」(都連幹部)というが、この程度では「士気は上がらない」(党関係者)というのが本音のところだ。
一方の民主党。こちらも、「浅野氏は推薦はいらないと言いながら、小沢一郎代表に支援を要請した。どう距離を保っていいか分からない」(同党国会議員)と状況は自民党と似たり寄ったり。
ただ、自民党と違うのは、民主党の場合は「右から左まで抱える寄り合い所帯」と揶揄(やゆ)されるだけあって、政策、理念の点で賛同しかねる議員がいること。ある保守系議員は心境をこう吐露する。
「浅野氏の支援団体の中には左派系の“プロ市民”がいる。これでは応援できない。まあ、公然と石原氏を支援する都議はでないと思うが、支援したい候補がいないというあきらめの境地だ」
こうした中、告示直前に出馬表明したお笑いタレント、桜金造氏の票の行方も注目だ。金造氏は創価学会員として知られており、公明党議員の選挙応援に駆けつけたこともあるという。
「(学会内では)金造さん、金造さんと言われて、人気がある。放っておいても10万票は取るのではないか」とは公明党幹部。
石原氏に流れるはずの公明・学会票に“異変”が起きる可能性も指摘されているのだ。
【東京都知事選・統一地方選 関連記事】
◆慎太郎危機感…浅野氏、エリート官僚出身の悪弊も(03/22)
◆都知事選“舌戦”火ぶた…浅野氏“パフォーマンス”も(03/22)
◆自民、慎太郎としっくりいかず…民主“理念”相違(03/22)
◆都知事選紅一点は風水研究家…阪神大震災も予言!?(03/22)
◆黒川氏の妻、若尾文子が告白「選挙は手伝わない」(03/22)
◆13知事選が告示…自民vs民主、5都道県で対決(03/22)
◆“異色候補”バトルロイヤル…ストリップ劇場が本部?(03/22)
◆サスケ“爆破マッチ”覚悟し出馬「打倒小沢王国」(03/22)
ZAKZAK 2007/03/22