野菜の豊作に伴う値崩れを防ぐために野菜を捨てる「産地廃棄」の見直しを協議していた農林水産省の「野菜の緊急需給調整手法に関する検討委員会」(座長=藤島広二・東京農大教授)は22日、産地廃棄の継続を柱とした報告をまとめた。
有効な代替案は見つからず、豊作時の需要拡大で廃棄量を減らす改善策を示すにとどまった。農水省は、産地廃棄を2007年度以降も続けることを決めた。
報告書は「産地廃棄はやむを得ない最後の手段」と位置づけた。
豊作時の需要拡大策として〈1〉食品加工業者や畜産農家など引き取り先の開拓〈2〉国民への消費拡大のアピール〈3〉飼料など新規用途の開発——などを掲げた。産地廃棄の代替案として、低温での保存や海外への輸出も検討されたが、コストがかかることなどから見送られた。
産地廃棄は、市場への供給量を抑えて価格を安定させる「緊急需給調整」の一施策で、廃棄した農家には生産費の一部が補てんされる。農水省は2月、消費者の「もったいない」との声を受け、有識者や農家で検討委員会を発足させた。