同省は2月28日、愛知県蒲郡市、仙台市で転落死が相次いだことを受け、インフルエンザを発症した未成年者から、少なくとも2日間、目を離さないことなどの注意喚起をしている。同省は飛び降り・転落事故について、死亡例と、使用制限のきっかけになった2件の計6件しか公表していなかったが、「注意喚起前の事故だったため」と説明している。15件のうち14件が男性、1件が女性だった。
タミフル服用後の異常行動では04年2月、17歳の男性が道路に飛び出し、トラックにひかれ亡くなった事故もある。
一方、厚労省は、服用と異常行動の関連性については否定的だ。同省の研究班(主任研究者=横田俊平・横浜市立大教授)は昨冬、患者約2800人を対象に調査を実施。患者の9割が服用していたが、異常行動の発生頻度は、飲んでいなかった患者が10.6%、服用者が11.9%で、統計学的な差はなかったことを根拠にしている。
ただし、対象患者の8割が10歳未満だったこともあり、研究班はさらに1万人規模の調査を実施している。