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2007年03月22日(木) 11時27分

自転車道工事 落札率「95%以上」8割朝日新聞

 公共工事の入札で落札率の高止まり傾向が問題視されるなか、県内のサイクリングロード(自転車道)についても、01年から今年にかけて入札があった舗装工事など54件のうち、8割近い41件が落札率95%以上だったことが朝日新聞社の調べで分かった。最も高いのは2件の99・8%だった。落札後に契約額が高く変更されていた工事も24件あった。道路や公共下水道などと同様に工区が分かれ工期も長い自転車道工事について、入札の適正性が改めて問われそうだ。 (大井穣)

 落札率とは、予定価格に対する落札価格の割合。数値が高いほど、県や市などの発注者が入札前に見積もる予定価格に近い額で落札されたことを意味するため、「談合の疑いがある」と指摘する声も少なくない。

 今回の調査は、入札執行調書など工事の入札契約の内容を示す書類を基にした。保管期限(3〜5年間)が限られているため、現存するものを参考にした。

 具体的には、3・8キロから42・5キロ(完成時)と比較的距離が長い、県発注の利根川▽高崎伊勢崎▽桐生足利藤岡—の3路線42工事と、高崎市発注の井野川▽烏川・榛名白川▽早瀬川▽碓氷川左岸—の4路線12工事の計7路線54工事を調べた。各路線は工区が分割されていて、それぞれで入札がある。大半が指名競争入札だった。

 落札率は、99%台・15件▽98%台・14件▽97%台・5件▽96%台・5件▽95%台・2件——と95%以上に集中していた。

 一番高い99・8%だった利根川・分割6号工事(前橋市石倉町4丁目、02年3月28日入札)は予定価格5910万円に対して落札価格は5900万円、やはり同率だった分割2号工事(同市総社町植野、06年3月22日入札)は3057万円に対して3050万円と、いずれもその差は10万円以内だった。

 利根川自転車道は、国の「交通安全施設等整備事業」の一環で、国から補助を受けて、87年から道路舗装や付帯構造物の整備を続けている。

 落札率が高止まりする傾向について、ある発注関係者は「率が高いだけで不適切な入札があるとは思われたくないが、事態を打開する効果的な対策がないのが現状」と語る。

 落札後に契約額の変更があったのは全体の5割の27件だ。このうち24件は、「整備を進めるために当初計画よりも舗装距離を延ばす」などの理由で、実際の契約額が落札額よりも高くなっていた。利根川・分割1号(前橋市石倉町、01年9月14日入札)は、落札価格1230万円に対して契約額は1863万円で、跳ね上がり幅が633万円と最も大きかった。

 契約額の変更について県は「地盤条件などによって当初計画が変わり、工事量が増減することによる」としている。

http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000703220002