見解の撤回は、辻哲夫事務次官が記者会見で述べた。同省は近く、タミフルの副作用を評価するため、これまで死亡例しか諮っていなかった薬事・食品衛生審議会で、01年2月の発売以降に報告されている約1800件の副作用報告を議論してもらう。因果関係を「否定的」としていた死亡例も再評価する。
タミフル服用と異常行動の関連性について、同省は10代への使用を原則制限する方針を示した21日の記者会見の際も、「否定的」との見解は崩さなかった。死亡例の調査と、同省の研究班が昨年度に約2800人を対象に行った統計結果を根拠に判断してきた。
同日の会見で公表した2件の飛び降り事故を受けて、初めて調査したところ、死亡例以外にも、飛び降り・転落の事故が多数あることを知ったという。服用との因果関係について、辻次官は「今後、検討する中で、判断が変わる可能性がある」と述べた。詳しい分析をしなかったことには、医薬食品局の黒川達夫審議官は「副作用の情報は膨大なので、死亡例に重点を置いて調査していた」と説明している。