公聴会で証言するゴア前米副大統領(AP)
ゴア氏は二酸化炭素を「地球温暖化汚染物質」と呼び、「二酸化炭素の排出量をただちに現状凍結させ、50年までに90%削減する必要がある」と指摘。「京都議定書が悪霊に取りつかれてしまっていることは、私も十分理解している。われわれには、より強力な国際条約が必要だ」とし、同議定書後の新たな条約の締結へ向けた努力と、温暖化防止を図る法令の制定を議会側に求めた。
ただ、温暖化対策に懐疑的な共和党保守派との議論は、かみ合わない場面もしばしば。バートン下院議員(テキサス州)に「温暖化の科学は一様ではない」と突っ込まれると、「あなたの赤ちゃんが熱を出し、医者が治療が要ると言ったとき、あなたは『SF小説を読んだら問題はないといっている』とは言わないでしょう」と比喩(ひゆ)を交えて答えた。
公聴会出席を、米メディアは08年大統領選への思惑も指摘しつつ伝えた。CNNの最新世論調査(9〜11日実施)で、ゴア氏は次期大統領にふさわしい人物として、民主党の中ではヒラリー・クリントン、オバマ両上院議員に次ぎ、依然3番目の支持を集めている。