不満が目立ったのが自動車業界。06年の韓国の対米輸出は約70万台だったが、米国メーカーの対韓輸出は約4000台。米国の対韓貿易赤字の約8割を自動車関連が占める。「韓国は自動車の関税率が8%で、非関税障壁も米輸出を阻んでいる。米国の2.5%関税の撤廃を求めているのは驚きだ」(業界団体)などの声が上がった。
米通商代表部(USTR)側は「韓国メーカーは米現地生産を確実に増やしてゆく」と答弁したが、「現地生産が増えても輸出が増え続けるのは日本メーカーの例を見ても明らか」(レビン小委員長)と反論された。
農業では「米国産のコメが韓国内の小売店で自由に売られるようになる合意が必要」(議員)などの注文がついた。
昨年6月に始まった交渉は政府調達など3分野で合意、サービスや金融など7分野が決着間近だが、自動車や農業、繊維などは協議中。6月末に失効する米議会の審議手続き(ファストトラック)の関係で、交渉期限とされる3月末から4月2日にかけて「とりあえず大筋決着し、委細は4月に詰める可能性」(通商筋)もある。合意して議会が了承すれば、単独国として米最大のFTA相手になり、「日本が追随する動きが強まる可能性がある」との見方も出ている。