検証委は04年10月に発足し、調査は3回目。05年は虐待死57人(52件)、心中29人(18件)の計86人で、前回04年の計58人(虐待50人、心中8人)を大きく上回った。
虐待死の内訳は、「身体的虐待」が41人、食事を与えないなどの育児放棄(ネグレクト)が15人、不明1人。ネグレクトによる死亡割合(26%)が前回の倍以上になった。「主たる加害者」は、実母38人、実父12人。加害者が実母である割合は前回の52%から67%に増えている。
一方、虐待死52件のうち、児相が保育所や病院などから「虐待の恐れがある」との通告などを受け、死亡前に関与していたケースが11件あった。しかし、「虐待として対応」したのは2件で、「虐待の認識は一部にあったが所内全体に伝わっていなかった」が3件。「虐待の認識はなかった」が6件あり、関与した案件の半数を超えた。
ただ今回の調査は、児相が虐待を認識できなかった理由については聞いていないという。
厚労省は、虐待児童の早期発見や保護のため、市町村や医療機関、警察などによる「要保護児童対策地域協議会」の設置を自治体に促している。だが、52件のうち地域に協議会があったのは23件。うち死亡前に対応策を検討していたのは4件(17%)にとどまった。
虐待死の予防体制に問題があることはかねて指摘されており、与野党は児童虐待防止法改正案を議員立法で今国会に提出する予定。児相などによる子どもの安全確認の義務化や、保護者に対する都道府県知事の「出頭要求」制度などを創設する方針だ。
http://www.asahi.com/national/update/0320/TKY200703200476.html