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2007年03月21日(水) 00時00分

迷ってばかり 決断力不足直せるか読売新聞

 30歳代女性。優柔不断な性格に悩んでいます。日常生活の様々な場面で、物事を決められないのです。

 店で散々悩んだ末に買ったものを、家で「やはり別の方が良かった」と思い直し、交換してもらうことがよくあります。

 私は昨年出産しましたが、子どもを親に預けて買い物に行くと、時間をかけられません。帰宅後、買ったもののこれで良かったのか、悩むことがさらに多くなりました。子どもが服を少し汚したとき、着替えさせるか、そのままにしておくか、でもよく悩みます。

 夫も「君の好きなようにすればいい」と、決断力に欠けるところがあります。

 これから親として決断しなければならないことが増えます。即決できる人が、うらやましくなります。この性格を変えられるでしょうか。(山口・A子)

 確かに「物事を決める」というのは難しい作業ではありますね。別に国家の重大事を決断するんじゃなくても、食堂でうどんにするかそばにするかを決めるんだって難しい。各々(おのおの)のプラス面、マイナス面を天秤(てんびん)にかけて、最後はエイヤッて決めても、やはりうどんが良かった、とか後悔したり。

 これは考えるからそうなる、のかもしれない。観察してみると、決断力があるように見える人は結局何も考えてないことも多いですからね。それでも結果なんて、大して変わらないんですよ。

 さてあなたの優柔不断にも「考え過ぎ」がありそうですが、それ以前に何だか決めた結果がどうであれ、そのことを後悔しようと最初から決めているような面がありませんか? これではいつも結論は後悔になり、次から「決める」という行為そのものが怖くなる。これは「決断恐怖症」とでも言うべき状態です。

 もっと決めた満足感に注目してはどうでしょうか。ざっと考えて、あとはサイコロでも振って決めることにして、リラックスすることだけを考える。この方法で、あなたがとんでもない決定をするとはとても思えないのですが、いかがでしょうか?

 (野村 総一郎・精神科医)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20070321sy41.htm