今回は特に絵にこだわる。「緻密(ちみつ)じゃなく子供が描いたような新しい絵で、アニメ本来の楽しさを出したい」と、コンピューターを使用せず、すべて手書きで製作する。鈴木敏夫プロデューサーによると、宮崎監督は「いつもとまるで違う挑戦になる」と意気込んでいるという。
宗介は昨年「ゲド戦記」で監督デビューした長男、宮崎吾朗氏がモデル。吾朗氏が幼いころ、駿氏は仕事に没頭し、ほとんど家に帰らなかった。吾朗氏の監督デビューは当時への反抗だと思い、猛反対した。「2度と吾朗のような子供をつくらないために」と、親子の距離感もテーマになるようだ。
時代は現代日本。社員旅行で訪れた瀬戸内海のある町をモチーフに、金魚は淡水魚だが、ポニョがすむのは海で、舞台の約8割は海になる。日本映画NO・1ヒットメーカーの描く不思議なシチュエーションは、世界から注目されそうだ。