07年秋冬コレクションで発表した「プリーツ」=大原広和氏撮影
パリ・コレにデビューした藤原大
藤原は98年から三宅一生とともにA—POCを手がけてきた。服のデザインをコンピュータープログラム化し、生地に部品のデザインや色、柄を織り込む技術で、生地から部品を切り出してわずかに縫製するだけで1着の服ができあがる。
今回のショーでは、藤原が「A—POCを核にすえてブランドの現在を伝えたい」と提案した。ブランドの代名詞的な服になっている「プリーツ」では、A—POCの技術でウエストなど部分的にプリーツをつけた作品などを披露した。
だが、A—POCの服は技術が進むほど外見では、従来の工程の服と区別がつかなくなる。ショー会場でもA—POCで織り出したデニムの柄をプリントと思い込んだ観客が少なくなかった。
この反応に対して藤原は「私たちは服を通してしか語れない。次回以降も同じ考えで発表していきたい。変わってはいけないプロダクトデザインの技術であるA—POCと、変化を好むファッションとのバランスが今後の課題」と話した。