東京都の石原慎太郎知事がフランス語を侮辱する発言をしたとして、フランス語学校長マリック・ベルカンヌさん(47)らフランス人のほか、カナダ人や日本人ら計74人が19日、都に謝罪広告と1人当たり5万円の慰謝料を求める訴訟を東京地裁に起こした。
原告らは2005年、石原知事個人に謝罪と慰謝料を求めて訴訟を起こしたが、裁判の中で知事側が「都知事としての公的発言だった」と主張したため都も提訴した。
訴状によると、石原知事は04年10月、都庁内であった首都大学東京の支援組織設立総会で「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも、むべなるかなという気がする」「都立大はフランス語の講師が8人いて、受講者は1人もいない」などと述べた。
石原知事相手の先行訴訟で、知事側は当初「個人的な発言」としていたが、昨年秋になって「公的」に翻したという。
提訴後に記者会見した原告らは「言葉は文化。公人として他国の文化を否定し、怒りを禁じ得ない。東京とパリは姉妹都市なのに信じられない」と述べた。
東京都は「訴状が届いておらず、コメントできない」としている。
ZAKZAK 2007/03/20