激しく煙をあげて燃えるセルロース製造工場=上越市頸城区西福島の信越化学工業直江津工場内で
上越署などによると、同工場は敷地内の北東部にあり、建築資材に使うセルロースを製造している。同署などは、高圧ガスや危険物を含む各種薬品を天然パルプと反応させ、メチルセルロースを製造する過程で爆発が起きたとみて調べている。
爆発当時、建物内では約20人が梱包(こんぽう)などの作業をしていたという。
午後11時前、同工場で記者会見した東京本社の幅田紀一・環境保安担当常務は「17人もの人にけがをさせ申し訳ない」と謝罪したうえで、「爆発の規模から見て、高圧ガスが漏れて、何らかの着火源に引火した可能性が高い。生産設備には自信を持っていたが、抜本的な対策を取りたい」と述べた。
直江津工場は、従業員約1000人。辺りはプラスチックが焼けるような異臭が立ちこめ、周辺の住宅に煙が流れ込むなどして、付近は一時騒然となった。上越市などは半径100メートル以内の住民に避難を呼び掛けた。
工場敷地内の別の建物にいた男性作業員は避難後、「建物が持ち上がるかのような衝撃があり、近くにいた人が跳ね飛ばされた」。工場の塀の脇に住む女性(27)は「ドーンという音を聞いて地震かと思い、外に飛び出した」と話していた。
直江津工場では、73年にも塩化ビニル製造部門で爆発が起き、従業員1人が死亡。97年にはシリコーン製造施設の爆発事故が起きている。
http://www.asahi.com/national/update/0320/TKY200703200397.html