特捜部は、05年12月に大手ゼネコン各社が「談合決別」を申し合わせたにもかかわらず、鹿島、清水建設の業務担当者が、再談合で巧妙に競争を装いながら談合を続けた悪質なケースとみて、詰めの捜査を進めている模様だ。
再談合の仕組みについて供述しているのは鹿島の同支店次長で、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で逮捕された浜島哲郎容疑者(57)。
供述によると、浜島容疑者らは05年12月までに談合し、06年2月の市営地下鉄6号線(桜通線)延伸工事の4工区の入札で、鹿島を代表とする共同企業体(JV)が「徳重1」、清水建設を代表とするJVが「徳重2」を落札することなどを取り決めていた。
しかし入札前に各工区の落札JVを名指しする談合情報が流れたことから、浜島容疑者と、清水建設名古屋支店元営業部長の河島嘉(みよし)容疑者(61)=同容疑で逮捕=が、落札予定工区の入れ替えについて密談。その際、河島容疑者から浜島容疑者に、清水建設の入札額が伝えられたという。
浜島容疑者からの情報をもとに鹿島は、工区入れ替えで落札することになった「徳重2」の入札で、清水建設より3500万円低い59億6000万円で応札して落札。鹿島と清水建設の入札額の予定価格に対する割合の差は、0.5ポイントで「激戦」が演出されたという。
これに対し、清水建設の業務担当者は「2工区とも落札するつもりで入札した」などと、落札予定工区の入れ替えを否認している。
http://www.asahi.com/national/update/0320/NGY200703190021.html