空飛ぶトカゲの化石=米科学アカデミー紀要提供
化石の全長は15.5センチで、そのうち9.5センチが尾だった。肋骨(ろっこつ)のうちの8本が著しく長く、その間に膜があった。この膜を利用して、グライダーのように空を滑空していたとみられる。空を飛ぶトカゲの化石の発見は初めてだという。
足の親指が長くカーブしていることから、樹上で生活していたとみられ、カメレオン類やキノボリトカゲ類に近い種類だと考えられる。飛膜の大きさや形を現代の鳥類と比較するとスズメに似ており、滑空能力はかなり高かったようだ。
国立科学博物館の真鍋真・主任研究員は「同時代の中国には、ミクロラプトルなど滑空能力をもつ恐竜もいた。花をつける被子植物の出現などにより、樹上性の爬虫(はちゅう)類が多様に進化したのではないか」と話している。