南アは核の平和利用を提唱しており、イランとも友好関係にある。常任理事国が決議案作成を独占してきたことへの不満もあり、提案に踏み切ったと見られる。
修正案は、ウラン濃縮活動と制裁を同時に停止すべきだとする国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長の提案を支持。イランとの交渉期間として、前回決議も含めた制裁を90日間停止し、60日間の濃縮活動停止期限を削除することを求めている。
また、イランの武器輸出禁止や各国からイランへの武器輸出の自制などの主要項目を削除し、制裁対象から国営セパ銀行とイラン革命防衛隊の関連企業・個人を除外することなども盛り込んだ。
南アのクマロ国連大使は「我々には決議案の修正を求める権利がある」と主張。だがこれに対し、英国のジョーンズパリー大使は「これまでの決議の主要部分と矛盾する内容で一致は難しい」と語った。米英仏の常任理事国は週内採択を目指しており、協議が長引けば、南アが棄権または反対するとしても強行採決に踏み切る可能性がある。