ロシアのウリヤノフスカヤ炭鉱の事故に集まった救助隊=AP、現地テレビ画面から
同炭鉱は02年10月にプーチン大統領が50歳を迎えたのを記念して開業し、最新の設備を持つ。しかし、ガゼータ紙によると、05年に坑内のメタン・ガス濃度が多くの場所で基準を超えているとの指摘を安全監視機関から受けたものの、炭鉱を経営する会社は「基準違反の大部分は安全性に問題はない」とし、操業を続けていたという。
同紙などによると、事故現場は深さ約200メートルの坑内。英国製の新しい安全装置の点検をしていてメタン・ガス濃度の急上昇を検知、爆発が起きた。ガスのたまった空洞を作業員が掘削した可能性も指摘されている。
ロシア最大のクヅネツク炭田に位置するケメロボ州では採算性の低い炭鉱施設の老朽化が進み、97年12月にもメタン・ガスの爆発で67人が死亡するなど大きな事故がたびたび起きている。ウリヤノフスカヤ炭鉱自体は年間300万トンを採取しても70年間の操業が可能という優良鉱だが、今回の事故は近年ではロシア最大規模のものとなった。