報道内容に関して説明の会見を行う魚住汎英参院議員=19日午後1時、熊本県庁で
機構や国土交通省幹部によると、魚住議員から04年、熊本県内の海運会社が機構と共同所有していた船について、「船を会社と機構のどちらかが買い取れないか検討して欲しい」と要請があったという。会社が買い取る場合には、機構への船舶使用料の未払い分の減免などが必要になる。機構による買い取りも特異なケースに限られ、機構側は断ったという。
当時、熊本県内航海運政治連盟幹部が懇意にしていた魚住議員に相談したという。
その後、同年暮れに機構の担当課長が海運会社側に「政治家に頼まないように」などと話した、という情報が魚住議員側に伝わったという。これを聞いた魚住議員は05年1月、東京・永田町の参院議員会館の事務所に、担当課長や機構の小幡政人理事長、国交省海事局幹部を呼び出した。
小幡理事長によると、担当課長の発言を問題視していた魚住議員に対し、機構側は事実関係の調査を約束したという。翌2月、課長は異動した。小幡理事長は「先生との関係もあり、本人も相当疲れていたので代えた」と説明している。
国交省幹部は「機構か国交省幹部かは分からないが、議員から相当怒鳴りつけられた、ということは聞いた」と話す。
魚住議員は朝日新聞の取材に「当時、用船代が安く、業者の経営も苦しかった。(業者が)直接求めても応じないのに政治家以外に誰に頼めるのか」と話している。
魚住議員をめぐっては昨年、福岡県警から出資法違反容疑で家宅捜索を受けた福岡市の資産運用コンサルティング会社「エフ・エー・シー」の関連団体「WBEF」のNPO法人申請をめぐり、内閣府に再三、審査状況を問い合わせたり、同社側から2000万円が提供されたりした疑いも浮上。また04年3月には、知人の依頼で手形の裏書をした東京都内の会社が自己破産したのを受け、約14億円の債務が支払い不能の状態だとして、熊本地裁から破産宣告を受けた。
http://www.asahi.com/national/update/0319/TKY200703190162.html