民間への売却方針が固まった気象庁庁舎=東京・大手町で
有識者会議では、財政再建に役立てるため、国の庁舎売却で5000億円を確保する目安を掲げ、売却対象の選定を進めてきた。その結果、地価が1平方メートルあたり1000万円前後(公示価格ベース)と高いうえ、容積率にも余裕がある大手町の庁舎が有力候補に浮上。敷地面積は約2.8万平方メートルあるため、数千億円規模の売却収入が見込めると期待している。
ただ、入居している政府機関との調整が難航する可能性もある。有識者会議が意見聴取したところ、東京国税局は「移転先が大手町から離れると調査先への移動時間がかさみ、徴収税額が70億円減る」と反論した。気象庁の平木哲長官は記者会見で「緊急時に備え、現在より官邸に遠くない場所が望ましい」と訴えた。
有識者会議は今後、各省庁の意見を踏まえ、6月までに最終報告をとりまとめる。