この日の全体会合では、五つの作業部会の進展状況の報告を中心に協議された。
協議関係者によると、金次官の「核活動中止」発言に対し、ロシアのロシュコフ外務次官は「北朝鮮の核活動稼働中止に関する発言は評価に値する」と歓迎する意向を表明。韓国の千英宇(チョン・ヨンウ)・朝鮮半島平和交渉本部長も「かつて池を覆っていた氷も姿を隠している」と述べ、雪解けムードが漂った。
千氏はまた、6者外相会議の開催について「初期段階措置の履行後の開催に疑いをもつ国はない。基調演説でも外相会談の日程を決めなければならないという発言が多かった」と語った。
一方、日本の佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長は拉致問題について「日朝間の問題解決に正面から取り組むべき時期に来ており、北朝鮮にも同様に誠意ある対応を求めたい」と、北朝鮮の対応を促した。米国のヒル国務次官補も「協議途中で退席するのは誠意ある姿勢ではない」と日朝作業部会での北朝鮮の姿勢を厳しく批判した。
これに対し、金次官は「日本が(エネルギー支援の)義務を履行する意思がないなら、6者協議に参加する権利を失うこともあり得る」と牽制(けんせい)するなど、拉致問題で火花を散らした。
全体会合終了後、米朝、日ロの二国間協議も行われた。米朝両首席代表は20日午前にも会談する予定だ。議長国・中国の武大偉(ウー・ターウェイ)外務次官は記者団に対し、今回の協議は3日間の日程になることを明らかにした。21日までに(1)初期段階の措置を具体化する手順(2)次の段階の措置における各国の準備や行動——などを協議する。