全面禁煙になるのは、おおむね2時間未満で目的地に着く列車。受動喫煙の防止について乗客の要望が高まったためという。乗車時間が2時間以上の列車や観光目的の列車の計10本は喫煙車や喫煙ルームを残した=表。
半分の列車を喫煙可能にした理由について、JR九州の担当者は「2時間が、たばこを我慢できるかどうかの目安にした。観光列車は旅気分を損なう恐れもあると考えた」と説明する。禁煙列車を増やした代わり、主要駅のホームにある喫煙コーナーに空調設備や風よけなどを設置して、愛煙家に配慮する。
たばこを吸わない公務員男性(38)は「花粉症がたばこの煙で悪化する症状に悩まされてきたから、においだけでも嫌だった。列車ごと禁煙になったのはありがたい」。大阪市西区の会社員森章仁さん(35)は喫煙者。17日、仕事で訪れた長崎から「かもめ」に乗った。「飛行機は全面禁煙だし、仕方ないかもしれないが、どうしても吸いたいときはつらい」
一方、JR東日本は18日から東北、上越、山形、秋田の各新幹線と、特急33本を全面禁煙にした。寝台列車とJR他社管内につながる特急は除くが、同社広報部は「健康増進法が施行された03年に一部を禁煙にしたが、大幅な乗客減はなかった。以前より社会的に禁煙の機運が高まったと判断した」と話す。