京王電鉄新宿駅では、午前9時発売の記念パスモを買おうと、約200人が行列をつくった。パスモで京王線を利用した会社員の土田聡子さん(27)は「便利ですね。私鉄の利用が多いのでスイカは持ってなかったけど、パスモは使いそう」と話した。
大きなトラブルはなかったが、都営地下鉄光が丘駅と東京メトロ豊洲駅で、定期券発売機で磁気の定期をICカードに切り替えようとしたところ間違った定期が発行される不具合が起きた。同じ機械を使っている計7事業者4511台の発売機を一時止めて点検した。
パスモとスイカが使えるのは、27鉄道事業者の112路線1683駅と、32バス事業者のバス約451台。パスモを運営するパスモ協議会は09年度末までに800万枚の発行を目指す。
しかし、一部ルートでは切符よりも割高になる問題も残った。JR→私鉄・地下鉄→JR(例、JR三鷹駅—地下鉄東西線—JR津田沼駅)の経路がある4地域では、JR運賃が10〜150円割引になる連絡切符を販売しているものの、スイカやパスモでは同じ割引は適用されない。
JR東日本によると、割引は切符を対象に適用されるが、ルートそのものにはあてはまらない。バスでも、現在使われている磁気式の共通カードより、割引額が少なくなるケースがある。