主な対象は、小学校から高校までの現役教員。「学習のための空間作り」の手法を教える。教室への入り方、出席の取り方をはじめ、効果的なほめ方とその際の声の調子、黒板の前での体の向きや目線など、きめ細かい。
競争が激しい塾業界では、生徒と保護者からの評判が経営を左右する。同アカデミーは、生徒を引きつけるための研修を新人講師に行っており、そのノウハウを応用する。
教師塾は1回3時間程度、計10回で、講座料は3万5000円。東京都新宿区の教室を会場に、平日は夜間に、春休みや夏休み期間には日中の時間帯にも開く。既に私立の中高一貫校3校の教師20人から申し込みがあった。
早稲田アカデミーは2年前から東京都港区、昨年からは足立区で、それぞれ公立中の補習授業を受託している。その際、講師の身ぶり手ぶりを間近に見た中学校数校から「ノウハウを学びたい」との要望が寄せられ、昨秋から研修の講師を派遣してきた。こうした実績を踏まえて事業化することにした。
研修を開いた中学校の校長は「教員のプレゼンテーション能力だけを取り上げた研修は、学校や教育委員会ではこれまでなかった。学校は塾とは違うという思いはあるが、ほめ方や声の出し方は参考になる」と話している。