北陸電力志賀原子力発電所1号機(石川県志賀町)の臨界事故隠しで、問題発覚の発端は、当時働いていた1人の社員の内部告発によるものだったことが分かった。
同社は原子力安全・保安院の指示を受けて、昨年12月に発電設備点検委員会を社内に設置。「不適切な取り扱いなどはないか」など技術系の社員ら数百人を対象にしたアンケートが行われた。
この中で1999年6月の事故発生当時に同原発で働いていた1人の社員が「臨界事故を隠しているようだ」などと指摘した。
点検委員会は、さらに内部告発者を含めて、当時の関係者から聞き取り調査を行い、3月13日に「ほぼ間違いない」と事実を確認し、15日になって発表した。
北陸電力の志賀原子力事務所は15日夜、志賀町内130戸を戸別訪問、事故の経緯を説明し謝罪した。