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2007年03月16日(金) 23時41分

臨界事故隠し、本店は関与せず…北陸電力社長が会見読売新聞

 北陸電力の永原功社長は16日、富山市の本店で記者会見し、臨界事故当日に発電所長や課長らによる「緊急対策会議」が開かれたことを明らかにし、「課長や副課長から『発電所長が(外部に)報告しないと判断した』と聞いている」と説明した。

 ただ、当時の発電所長は2度の聞き取りに「覚えていない」などと記憶があいまいとする一方、当時の本店原子力部長が「報告を受けていない」と回答していることから、本店側の関与はなかったと判断しているとした。

 また、永原社長は自分自身を委員長とする「志賀1号機事故調査対策委員会」を設置し、事実関係の調査、究明にあたることを明らかにした。責任については「当時の発電所長と当時の社長、現在の社長の私にあると思う」とし、当時の発電所長については「厳正に処分したい」とした。

 隠ぺいの背景について、永原社長は原発の現場技術陣と経営陣との関係の難しさをほのめかし、「(原発事業は)一体となって推進していくべきと考えているが、壁を感じる」とも明かした。

 その発言を証明するようにJCO臨界事故について、永原社長が「こっちの事故が報道されていれば、注意喚起となって(JCO事故が)なかった可能性はある」と話したのに対し、記者会見に同席した山崎達広原子力部部長は「まったく異なる事故」と発言した。

 永原社長は16日、石川県庁に谷本正憲知事を訪ね、「深く反省し、おわび申し上げます」と謝罪した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070316i415.htm